2024年4月18日に令和6年度第1回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会が開催されました。
この部会にて、次期薬機法改正の議論が行われていくことになります。
今回の会議では、薬機法改正の議論に向けての議論のスケジュール及び主な論点が厚労省から提示されています。医薬品、医療機器、再生医療等製品の制度/規制に大きな影響を与える可能性のある議論となりますので、動向を注視していきます。
薬機法改正議論のスケジュール
5月から4つのテーマに沿って議論が行われ、2024年7月に議論の整理が行われます。その後、年内を目途にこの部会としての意見を取りまとめることとされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001246372.pdf
したがって、早ければ2025年1月からの通常国会に薬機法改正に関する法案が提出される可能性があります。そうすると、2025年前半での法案成立となり、内容に応じて、即日から2年以内程度の経過期間が設定されての施行となる可能性があります。
薬機法改正の主な論点
4つのテーマとして、以下が挙げられていますhttps://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001246371.pdf
① ドラッグロスや供給不足などの医薬品等へのアクセスの課題に対応した安全かつ迅速な承認制度の確立
② 新技術による医薬品等にも対応したリスクに基づく市販後安全性対策の強化、法違反事例を踏まえた更なる法令遵守や品質確保の取組の実施
③ 国民からの信頼性確保に向けた体外診断用医薬品・医療機器の規制の見直し
④ 少子高齢化やデジタル化の進展等に対応した薬局・医薬品販売制度の見直し
テーマごとの議論は今後ですが、今回の法改正の議論では、製造管理/品質管理(製造変更、GMP、製造業許可/登録)、市販後安全対策[リスク管理計画(RMP)、安全性報告]、医療用医薬品の販売方法、といったキーワードが特徴的です。
より具体的には、小児用医薬品開発の計画策定の努力義務化、RMPの法的位置づけの明確化、製造方法等の中リスクの変更カテゴリの追加、再生医療等製品の規格外品の取り扱い、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売方法の規定、といった点は、今回の薬機法改正の中で明確に規定されるとともに、制度運用に大きな変更が生じる内容になってくるのではないかと考えています。
これらの内容には、「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」の中でも議論されいるものもあります。例えば、小児用医薬品開発の計画策定について、すでに議論が行われており、インセンティブを付与するための運用上の手当ても実施済みとなっています。「成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定について」(令和6年1月12日付け、医薬品審査管理課長通知)、「成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定について」の一部改正について(令和6年3月29日付け、医薬品審査管理課長通知)、「成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定についての質疑応答集(Q&A)について」(令和6年3月29日付け、医薬品審査管理課事務連絡)に基づき、小児用医薬品開発を促すための運用を開始しています。しかしながら、本運用はあくまで通知レベルでの対応となることから、今後、薬機法改正を通じて、この仕組みの明確化を目指していくことになろうかと思います。
関連リンク
- 医薬品医療機器制度部会のページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_430263.html
- 第1回医薬品医療機器制度部会のページ(各種資料等あり):https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39786.html
- 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku_128701_00006.html
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