2025年の薬機法改正のうち、1年以内の施行分については2026年5月1日に施行されました。
その施行に向けた薬機法施行規則の改正内容は、2025年11月28日付けで公布通知とともに公布されました。(関連記事)
さらに、2025年12月26日付けで2026年5月1日施行分の施行通知が発出され、2026年5月1日施行分の改正内容が網羅的に示されました。(関連記事)
ここでは施行通知の内容に沿って、医薬品等の製造販売に関連した運用の個別通知情報を整理しておきます。
施行通知の構成
施行通知は、以下の内容で構成されています:
第1:要指導医薬品
第2:要指導医薬品等の情報提供及び販売
第3:指定濫用防止医薬品の販売時の情報提供等
第4:リアルワールドデータの承認申請等への利活用等
第5:希少・重篤な疾患に対する医薬品等に係る条件付承認の見直し
第6:小児用医薬品のドラッグ・ロス解消に向けた開発計画作成の促進等
第7:医薬品及び体外診断用医薬品に係る製造管理者の要件等の見直し
第8:検定実施体制の合理化
第9:日本薬局方に収められている医薬品に係る取扱いの見直し
第10:輸入確認制度の合理化
第11:医薬品等の供給不足時の優先審査等
第12:大型医療機器における注意事項等情報を入手するための符号の表示
第13:医療機器及び再生医療等製品の不具合報告
第14:再生医療等製品及び生物由来製品の感染症評価報告に係る規定の整備
第15:登録認証制度
第16:承認のために必要な試験の対象となる体外診断用医薬品の規定の削除
第17:モノフルオール酢酸の塩類を含有する製剤の品質
第18:様式に関する事項
第4:リアルワールドデータの承認申請等への利活用等
医薬品、医療機器、再生医療等製品のそれぞれで関連通知が改正されています。
医薬品の運用で実質参照することになるのは、以下の2026年2月27日付け局長通知です。
「医薬品の承認申請について」の一部改正について(令和8年2月27日医薬発0227第2号)
上記通知では承認申請書に添付する資料の星取表があります。今回の改正により「チ項:ト以外の臨床等で得られた品質、有効性及び安全性に関する成績に関する資料」が新設されました。
このチ項が、リアルワールドデータの資料を想定していることは、以下の課長通知で説明されています。
「医薬品の承認申請に際し留意すべき事項について」の一部改正について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第1号)
医療機器でも2026年3月31日付けの以下の通知に基づき、同様の手当がされています。
「医療機器の製造販売承認申請書の作成に際し留意すべき事項について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬機審発0331第4号)
「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬機審発0331第7号)
体外診断用医薬品の場合は以下の2026年3月31日付け通知にて手当されています。
「体外診断用医薬品の製造販売承認申請について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬発0331第17号)
「体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬機審発0331第17号)
再生医療等製品の場合は以下の2026年3月31日付け通知になります。
「再生医療等製品の製造販売承認申請について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬発0331第20号)
「再生医療等製品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」の一部改正について(令和8年3月31日医薬機審発0331第26号)
いずれの場合も、事務・手続き的な整備の手当であり、実際にリアルワールドデータがどの程度利用可能となるかは、実運用の状況を注視していく必要があります。
第5:希少・重篤な疾患に対する医薬品等に係る条件付承認の見直し
医薬品と医療機器(体外診断用医薬品を含む)でそれぞれ運用通知が発出されました。
医薬品における条件付承認の該当性判断等にあたっては、以下の通知に基づく検討が行われることになります。
医薬品の条件付承認の取扱いについて(令和8年2月27日医薬薬審発0227第6号)
条件付承認の対象となる品目は、疾患が重篤であること及び医療上の有用性が認められる必要があります。これらの条件は、希少疾病用医薬品の条件と同様のものとなっています。

さらに、もう1つの要件として、今回新たに追加された「有効性が合理的に予測可能であること」を満たす必要があります。

条件付承認を希望する場合は、PMDA相談が推奨されています。常時申し込み可能な「条件付き承認品目該当性相談」を活用することになります。
条件付承認となった場合、製造販売業者は、「添付文書、医薬品リスク管理計画及びそれに基づく追加のリスク最小化活動として作成する資材等により、条件付承認がなされた医薬品である旨及び条件付承認に係る条件の概要を患者及び医療現場に周知」することが求められます。
また、製造販売業者は、条件とされた試験等を実施し、試験等の成績に関する評価を受け、「条件とされた試験等の成績について、その承認状況、その試験等の完遂の如何を問わず公表」することが求められます。
条件とされた試験等の成績評価に関する手続きや、医薬品リスク管理計画への対応に関する運用は、以下の2026年2月27日付け通知で手当されています。
条件付承認された医薬品における承認後の品質、有効性及び安全性に関する調査に際し添付すべき資料について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第7号)
「医薬品リスク管理計画の策定及び公表について」の一部改正について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第4号、医薬安発0227第1号)
「医薬品リスク管理計画指針について」の一部改正について(令和8年2月27日医薬安発0227第2号、医薬薬審発0227第5号)
医療機器及び体外診断用医薬品については、2026年3月31日付けで以下の通知が発出されています。
医療機器及び体外診断用医薬品の条件付承認の取扱いについて(令和8年3月31日医薬機審発0331第23号)
第6:小児用医薬品のドラッグ・ロス解消に向けた開発計画作成の促進等
ここは、「小児開発計画の策定」及び「再審査期間の12年間への延長」が主な内容となります。
小児開発計画については、以下の通知が関連しますが、小児開発の推進にあたっての運用はすでに開始されており、今回の施行によって、努力義務の法的明確化等の手当が行われたものになります。したがって、運用の大勢には影響がないものとなっています。
「成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定について」の一部改正について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第8号)
成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定についての質疑応答集(Q&A)の改正について(令和8年2月27日厚生労働省医薬局医薬品審査管理課事務連絡)
一方で、再審査期間については、以下の2026年2月27日付け通知に基づき、実際の運用が行われます。小児開発を踏まえての12年間までの延長の可能性や特定用途医薬品の場合の再審査期間(6年超から8年間)が整理されています。
「再審査期間の取扱いについて」の一部改正について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第2号)
関連する事務連絡(QA)は以下になります。
再審査期間の取扱いについての質疑応答集(Q&A)について(令和8年2月27日厚生労働省医薬局医薬品審査管理課事務連絡)
その他(特定用途医薬品等の指定の改正)
2026年5月1日付けで、特定用途医薬品等の指定に関しても、対象拡大、運用変更が行われました。こちらは、施行規則の改正(第251条の3)を根拠に改正が行われています。
実際の運用通知は以下になります。また、厚労省のホームページに関連する医薬品の内容が整理されています。
「特定用途医薬品の指定に関する取扱いについて」の一部改正について(令和8年2月27日医薬薬審発0227第9号)
「特定用途医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の指定に関する取扱いについて」の一部改正について(令和8年3月31日医薬機審発0331第29号)
医薬品の場合の大きな変更点としては、小児関連の指定について、これまでは「用法又は用量の変更」と 「剤形の追加」のみが対象となっていましたが、新有効性成分等新規の開発の場合であっても対象となりました。
また、指定にあたっては、以前は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(未承認薬等検討会)」を介する必要がありましたが、2026年5月1日からは開発側(企業側)主導で、指定の相談等ができるようになりました。
(参考)2025年薬機法改正情報
以下の厚労省のホームページに、改正の概要や改正に関連した通知が掲載されています。

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