厚労省が、2024年9月30日付けで「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」と「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」を策定しました。(厚労省のプレスリリースはこちら)
バイオ後続品(バイオシミラー)を含む、後発医薬品の使用促進に向けて、これまでも目標設定、目標に向けた施策の実行が行われてきました。その結果、後発医薬品の数量ベースのシェアで80%を超える状況となっています。
このような状況ですが、今回の発表では特筆すべき点が入っていますので、取り上げておきます。
まずは、目標設定です。これまでの後発医薬品の数量ベースで80%のシェア(すべての都道府県)は、引き続き設定されつつ、以下の目標も入りました。
後発医薬品の金額シェアの設定と、バイオ後続品の数量シェアの設定です。いずれも令和11年度末となっていますので、2030年3月末までの目標設定となります。
ロードマップに記載された施策のうち特筆すべきは、2024年4月からの診療報酬改定で導入が決まった長期収載品に対する選定療養の導入です(関連記事)。この改定により、後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)に対して、選定療養が適用されることになりました(先発品と後発品の差額の一部が患者負担となる)(2024年10月1日より)。
この長期収載品での選定療養の導入をきっかけに、バイオ医薬品でも同様の仕組みを導入しようとしていることが、今回の方針で明示的に記載されました。
すなわち、バイオ医薬品について、先発品を使うのであればバイオ後発品との差額分をある程度患者負担にします、という仕組みがそう遠くない将来導入するつもりであることが、厚労省から示されました。
このように、厚労省は、選定療養の枠組みを使って、患者自己負担の枠を増やしつつ、医療費の抑制を目指していく方針を進めていこうとしています。
その他、バイオ後発品については、先発品の7割の価格で収載されますが、そこも変更することも見据えています。
最後に、バイオ後発品が日本で上市されているものが少ない、国内製造があまり行われていない、という現状への対策として、中等度変更事項の話が出てきていますので挙げておきます。(そこが関係あるとは思えませんが)(関連記事)
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