2025年度薬価改定(中間年改定)時の加算対象品目

2025年度薬価改定(中間年改定)の大枠については、こちらの記事に記載しました。

この改定に伴って、改訂時加算を受けた品目が2025年1月15日の中央社会保険医療協議会 総会(第602回)にて提示されていますので、まとめておきます。

改定時加算品目の一覧は、こちらから確認できます。21成分45品目が改定時加算の対象となりました。

まず、迅速導入加算が2成分2品目(アレセンサ、ブレヤンジ)で適用になっています。いずれも5%の加算です。

アレンセンサにおける「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌」の適応追加は、国内では2023年12月に承認申請、2024年8月に承認取得となっています。一方で、欧米では2023年11月に承認申請を行い、2024年4月に米国で最初に承認されています(審査報告書より)。この適応追加では、海外第I相試験と第III相国際共同治験が評価資料(審査にあたっての主な試験)とされていました。第III相試験において、257例(本薬群130例、Chemo群127例)が無作為化され、日本人患者は30例(本薬群15例、Chemo群20例)が登録されました。したがって、日本人症例数としては10%を超えてはいますが、国内の申請、承認時期ともに米国より後であることも考慮されたのか、迅速導入加算としては5%となっています。

ブレヤンジにおける「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」の適応追加は、国内では2023年11月に承認申請、2024年8月に承認取得となっています。一方で、米国ではて2023年11月に承認申請を行い、2024年5月に承認されています(審査報告書より)。この適応追加では、第II相国際共同治験のみが評価資料とされていました。この第II相試験において、139例が登録され、日本人患者は10例が登録されました。したがって、日本人症例数としては10%未満となっています。また、承認時期が米国より後になっており、迅速導入加算としては5%となっています。なお、このブレヤンジでの迅速導入加算は、再生医療等製品で初の迅速導入加算となります。

次に、今回は先駆的加算(先駆け加算)が1成分(エザルミア)で適用されています。また、真の有用性加算が1成分(セマグルチド)となっています。セマグルチドは、肥満症薬ウゴービとして上市されています。

その他、小児加算13成分と今回の改定時加算対象成分の過半数で適用されています。また、2成分で5%の加算となっていますが、他の11成分では加算率が10%以上であり、エンレストでは20%となっており、小児加算は(引き続き)高めにつく(小児開発を高く評価する)傾向にあることが推察されます。

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