少し前になりますが、2025年6月26日に開催された創薬力向上のための官民協議会を取り上げておきます。
会議の資料等はこちらに掲載されています。
この会議ですが、昨年2024年7月に開催された創薬エコシステムサミットの2年目版になります。創薬エコシステムサミットは当時の岸田総理大臣が出席していました。今回は石破総理大臣が出席している一大イベントになっています。
創薬エコシステムサミットが何ぞやというのはこちらに記載しています。
「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」(創薬力構想会議)の中間とりまとめ(2024年5月)を受けて実施されたものが創薬エコシステムサミットとなります。
以下に開催の経緯がまとまっています。

この創薬力向上のための官民協議会の成果は、上記の資料にもありますが、ワーキンググループを設置したことです。以下にあるように今後の進め方が提示されていましたが、屋上屋を架している、仕事のための仕事を作っているという感じが満載です。

今後の実働はワーキンググループになってきます。
論点が3つとされており、特に「③投資とイノベーションの循環が維持する社会システムの構築」の議論をまず進めることとなっています。
これは、次期2026年度診療報酬の改定に向けて薬価制度の議論を行う、ということを意味しています。
実際、すでに第1回のワーキンググループが2025年9月1日に開催されています。以下はその時の資料からの抜粋ですが、ここでは明示的に薬価制度の論点となっています。

診療報酬の議論に間に合うように、まずは薬価制度のところを急ピッチで議論しようとしていることになります。
ただし、診療報酬改定の議論は、中医協で実施されるものであることから、この官民協議会(や下部のワーキンググループ)の提言がどこまで影響力があるかは未知数です。さらに言うと、中医協メンバーからすると横槍が入ろうとしていますので、彼らの反発が容易に想像できる状況です。
中医協(厚労省)と官民協議会(内閣官房)の主導権争いの様相を呈してきていますが、中身のある議論がどちらでも実施されることを切に願います。

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