参天製薬が製造販売業者となっている点眼薬「リジュセア」が2025年4月に発売となりました。(参天製薬のプレスリリースより)
この医薬品は、近視の進行抑制を目的としており、この目的を持つ薬剤は日本では初めての承認、発売となります。
ただし、とても重要な点として、この医薬品は、薬価収載されていないことが挙げられます。すなわち、保険診療下で使用することはできず、自由診療下において自費で治療を受けることになります。
この治療薬は、5歳~15歳の小児での試験結果に基づいて承認されており、そのような小児患者さんが投与対象となってきます。(関連する審査報告書、添付文書情報掲載ページ)
小児患者さん、かつ、進行抑制ということで長期間の投与も想定されます。いつまで投与を続けるかは医師の判断となっていますが、承認取得のための臨床試験では2年間の投与による効果を検証していました。
この医薬品の有効性成分は「アトロピン」となります。この有効成分を含有する医薬品は他にも古くからあります。ただし、今回の医薬品ではより低用量の設定となっています。より高用量において、アトロピン中止後に近視が急激に進行したといった報告があることから、今回の用量設定となっています。
近視患者数は、スマホ、パソコン等の使用といった要因により増加していると言われています。保険診療下で使用できないものの、一定の需要が国内でもあるのではないかと考えます。
なお、リジュセアは、2024年2月末に申請し、2024年12月末に承認されています。優先審査に該当する品目ではなく、12か月間の審査期間が目標期間となっています。にもかかわらず、医薬品部会の開催時期のタイミングのため、実質10か月間の審査期間で承認取得に至っています。
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