2026年4月から施行となる令和8年度制度改革について、2025年12月26日の中医協総会にて概要が固まりましたので、費用対効果評価制度改革も含めてポイントをまとめておきます。
薬価制度改革に関する資料はこちら、費用対効果評価制度に関する資料はこちらになります。
総じて、今回の制度改定では大きな内容変更はなく、名称変更、既存制度の微調整となっています。
薬価制度の改定
まずは、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロス対策の流れもあり、革新的新薬の評価をどのように行っていくかは大きな論点のはずですが、厚労省予算による研究(外部有識者による検討)中ということで、何も動きがありませんでした。

市場性加算については、対象を拡大する方向となりましたので、こちらは、日本市場への魅力向上にいくぶんかの貢献があるのではないかと期待しています。

薬価改定時の加算に関連して、以下の標準的治療法に関する加算が手当されました。診療ガイドラインにおいて、標準治療と位置付けられた場合に加算されるものです。補正加算検討時のポイント制度を考えると5%の加算と考えられます。当該補正加算獲得に向けて、企業は、製造販売後のエビデンス集積や学会とのより密な連携といった方向で活動が進むことになりそうです。
従来、画期的な新薬で最初から標準治療となっているという状況が想定しにくいものであり、今回の手当は適当なものと考えています。

外国平均価格については、ドイツ価格にメスが入りました。ドイツでは、最初の半年は企業が設定した価格で販売可能となっており、高めの設定が可能でした。そこの厚労省はメスを入れたことになります。
この改定により、プロジェクトによっては日本の新薬申請時期の判断に影響が出る可能性もあります。

名称変更その1です。新薬創出加算が「革新的新薬薬価維持制度」となります。中身は変わりません。

名称変更その2です。市場拡大再算定が「持続可能性特例価格調整」となります。

そして、この市場拡大再算定/持続可能性特例価格調整は、政治的な改定となりました。該当品目のみならず類似薬も薬価が下がる、いわゆる「共連れルール」、が廃止されることになりました。

また、希少疾病、小児の効能追加等で市場拡大再算定が適用されることがない旨が明示されます。

なお、再生医療等製品の市場拡大再算定は、引き続きの検討となっています。

バイオ医薬品のオーソライズド・ジェネリック(AG)については、先発品とAGで同一薬価となることとされました。こちらは、一部の先発品メーカー、後発品メーカーには大きな影響がありそうです。バイオAGを扱う後発品メーカーは、他の後発品メーカーに対して価格競争力を失うことになりますので、厳しい状況になる可能性があります。また、バイオAGを認めていた先発品メーカーは、認めることによって相応の対価を期待していたでしょうから、同じく負の影響を受ける可能性がありそうです。

最後に、次回(来年)も薬価の中間年改定があります。

費用対効果制度の改定
以下が大きな変更となります。これまでは薬価のうち加算分に対して価格調整(価格引き下げ)が行われていましたが、2026年からは薬価全体に対して、最大15%の価格引き下げとなる可能性が高まりました。
現在の制度の検証を2026年9月まで実施されることとなっていますので、詳細はその結果を受けての対応となります。


その他
創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループにて、2025年11月5日に薬価制度関連の議論整理が示されていました(資料はこちら)。ワーキンググループとしてまとまった提言でもなく各種意見の羅列であり、かつ、その中身も当たり障りのないものとなっていたことから、中医協の場で影響力はなかったと考えます。

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