治験の実施にあたって参加者募集は大事な事項ですが、医薬品の広告規制に基づき、何ができるかは慎重な対応が必要な状況にあります。
2026年3月30日付けで、参加者募集を含む治験情報の提供の取扱いについて、厚労省から以下の通知及び事務連絡が発出され、その運用の見直し、明確化がなされました。なお、今回の見直しは「規制改革実施計画」(令和7年6月13日閣議決定)を受けた対応となっています。
今回の通知及び事務連絡により、参加者募集や治験情報のやり方に各社工夫を凝らすことが期待できます。
ここでは通知の概要を紹介します。通知では、「参加者募集のための情報提供」と「それ以外の情報提供」に分けて、広告該当性の取扱いが示されていますので、その内容に従って、以下で整理します。
参加者募集のための情報提供
「参加者募集のための情報提供とみなす要件」が4つ設定されています。すなわち、これらの要件をすべて満たす場合は、未承認薬等の広告とはみなされず、参加者等に対して情報提供が可能となります。
- 治験、製造販売後臨床試験、特定臨床研究であって、厚労省のデータベース(jRCT)に登録されていること
- 情報提供の内容は、同意説明文書の内容の範囲までとし、参加者募集のための情報提供であることを明示すること
- 治験等の実施期間中のみの情報提供であること
- 試験段階である等の留意事項を明示すること

要件の他、通知ではインターネットを活用して具体的にどのような情報提供の仕方が想定さているかが記載されています。その内容を踏まえると、①参加者募集用のページが独立して存在する、②①のページへのアクセスを促す際には治験依頼者のホームページ、メディア、SNSといった情報提供媒体を活用することが可能、というイメージになっています。
それ(参加者募集)以外の情報提供
重要な前提として、「患者等を対象とした治験等に係る情報提供について述べたものであり、それ以外の情報提供(例えば、医療関係者に対する販売情報提供活動など)について適用することはできない」ことを認識しておく必要があります。
その上で、参加者募集の場合と同様に情報提供の要件が以下のように設定されています。
- インターネット上で、個別ページと表紙ページを設けて、表紙ページを経由しなければ個別ページにアクセスできない仕様であること
- jRCTに登録されている臨床試験であること
- 情報提供の内容は、jRCT 等に登録された情報又は当該臨床試験の結果のレイサマリーであること
- 表示ページに試験段階である等の留意事項を明示すること
参加者募集の場合との留意事項の違いとして、「特に本情報提供は、有効性や安全性に関わる治験等の結果を直接的に掲載する可能性がある」ことからより一層の留意が求められるものとなっています。
したがって、企業のホームページ、メディア、SNSといった情報提供媒体を活用する場合、直接個別ページへのアクセス情報を提示することには慎重な対応が必要であり、表紙ページからとすべき点が指摘されています。

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