2024年9月20日、米国FDAが、初めて、自己投与可能な経鼻インフルエンザワクチンを承認しました。(FDAのプレスリリース)
アストラゼネカ社のフルミストになります。フルミストは、経鼻(鼻からスプレーをする)インフルエンザワクチンとして、2003年から承認されていました。ただし、このワクチンの投与は医療機関で医師等によって実施されてきました。
今回の承認では、この経鼻インフルエンザワクチンを自分自身や保護者によって投与することが認められました。これからインフルエンザ流行シーズンに向けて予防接種が本格する時期であり、タイムリーな承認となっています。
この自己投与用経鼻インフルエンザワクチンですが、2~49歳が対象となります。また、2~17歳までは自分自身でなく、保護者等による投与とされています。
このワクチンは、オンラインファーマシーで注文し、入手できるようになるとされています。オンラインファーマシーの代表例としてはAmazon Pharmacyがありますが、ネットで注文、自宅で投与となりますので、受診を含め医療機関が全く関与することなく、インフルエンザワクチンの接種ができるようになります。
コロナ渦を経て、オンライン活動がさらに充実した現在の社会情勢において、自己投与可能な経鼻ワクチンというのは時宜を得た医薬品の承認、上市となっています。
なお、ワクチンは冷蔵庫で保管し、投与する際には、鼻に一気に噴霧する形で投与します。
その他、日本ではフルミスト(自己投与ではない)が2023年3月27日に承認されています(第一三共が承認取得)。発売時期は2024年度となっていますので、今年(2024年)の流行期に向けて9月以降、初めて、このインフルエンザワクチンが使用される可能性があります。
日本では、経鼻ワクチンの登場が米国より20年遅い状況の中で、自己投与が可能となる時期がくるのかは興味深いところです。
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