米国FDAが、アップル社の補聴用アプリ、Hearing Aid Feature、を2024年9月12日に認可した旨を発表しました(FDAの発表はこちら)。
Hearing Aid Featureの特徴は以下です:
- 医療機器プログラム(SaMD)である
- 家庭用医療機器である(一般消費者は自身で直接アプリのダウンロード、利用することが可能)
- クラスIIの医療機器である
- AirPods Proとともに使用する
- 空気伝導型である
- 18歳以上で、軽度から中等度の聴覚障害がある者が対象
今回の認可にあたっては、118名の被験者で治験を行い、アプリによる聴覚補助の調整と専門家による聴覚補助の調整を比較した結果、同程度の結果が得られたことを示したとされています。合わせて、治験において、安全性に関する懸念もなかったとのこと。
Hearing Aid Featureの情報はFDAのデータベースに掲載されています。クラスIIの医療機器として判断するにあたって想定されたリスクとして、FDAは以下の点を挙げています(FDAレターより)。
- 期待以上の音量等による物理的不快感や聴覚の悪化
- 期待以下の音量等による不十分又は期待以下の効果
- アプリの不適切なデザイン、誤った使用等による治療の機会損失/遅れ/誤った治療
このアプリは、De Novo申請により認可されました。この申請は、リスクは高くない(クラスIIIではない)ものの、上市された既存の医療機器がない場合に該当するプロセスになります。今回の申請の場合、2023年12月に申請し、2024年9月に承認されましたので、10か月程度の審査期間となっています。
なお、FDAの認可に先立って、アップル社は、2024年9月9日に、AirPods Pro 2とApple Watchに関連する発表を行っています(こちら)。この際に、Hearing Aid Featureの認可の可能性に触れています。この発表において、Hearing Aid Featureは、米国のみならず、日本を含めた世界各国で認可に向けた対応をしている旨が示されています。
加えて、Apple Watchと連動する機能(アプリ)として、睡眠時無呼吸の測定に関連した医療機器も(日本を含めて)世界各国で審査中である旨も述べられています。こちらのアプリについて、米国で2024年9月中の認可を期待することにも触れられており、近く、このアプリも認可の発表がFDAから出る可能性があります。
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