EUの規制の話になります。体外診断用医薬品(in vitro diagnostics、IVD)(と医療機器)については、Directive(指令)からRegulation(規制)への移行が決まっています。新たに適用となる規制は、In Vitro Diagnostic Medical Devices Regulation(IVDR)と呼ばれています。
IVDRは、2017年に公布され、当初、2022年から適用される予定でした。しかし、現時点(2024年4月時点)では、移行期間の設定により高リスクのIVDでは2025年5月、中リスクのIVDでは2026年5月、低リスクのIVDでは2027年5月まではIVDRの適用に対する猶予が設けられています。
そして、今回、さらに猶予期間が延長される方向で議論が進んでいます。
最新の猶予期間
2024年1月23日に欧州委員会(European Commission、EC)が提案した最新の猶予期間は、以下の通りです。
- クラスD(高リスク)IVD:2027年12月まで
- クラスC(中リスク)IVD:2028年12月まで
- クラスB、A(低リスク)IVD:2029年12月まで
上記のECのプレスリリースによると、現時点で、相当数の既存IVDがIVDRに対応しておらず、またIVDR対応済みのIVDが利用可能となっていないことから、猶予期間を延長することで必要な体外診断用医薬品を利用できる状況を確保するための措置fとのこと。
この欧州委員会の提案は、2024年4月25日に欧州議会(European Parliament)で支持されました。https://www.raps.org/news-and-articles/news-articles/2024/4/european-parliament-votes-to-delay-ivdr-transition
次は欧州理事会(European Council)での議論となりますが、このECの提案は支持されると考えられます。
したがって、IVDRの適用に対してはさらなる猶予期間(早くとも2028年1月からの適用)が認めらることになるでしょう。
なお、今回のECの提案では、医療機器、体外診断用医薬品の製品データベースであるEUDAMEDについては、一部の情報をより早期に登録していくことを求める改正も含まれています。
関連リンク
- IVDR:Regulation (EU) 2017/746 of the European Parliament and of the Council of 5 April 2017 on in vitro diagnostic medical devices and repealing Directive 98/79/EC and Commission Decision 2010/227/EU https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2017/746/oj
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