【米国】Neffy(エピネフリン/アドレナリン):I型アレルギー治療用鼻スプレーの承認(2024年8月9日)

neffy(エピネフリン/アドレナリン、アナフィラキシーを含むI型アレルギー反応治療用鼻スプレー)を2024年8月9日付けで承認した旨が米国FDAより発表されました。(FDAの発表はこちら

蜂毒、食物、薬物等に起因するI型アレルギー(即時型アレルギー、アナフィラキシー反応)に対しては、日本を含め、世界中で注射薬であるエピペン(エピネフリン/アドレナリン)が使用されています。

今回米国で承認されたneffyは、有効成分はエピペンと同じですが、初めて経鼻薬となります。鼻スプレーなので、注射より簡便に使用できることが期待されます。ARS Pharmaceuticalsがneffyの承認を取得しました。

neffyの投与(経鼻)により、エピペンの投与(注射)と比較して、エピネフリン/アドレナリンが同等の血中濃度を示したこと、同等の血圧及び心拍数の上昇を示したことをもって承認に至ったとされています。

30 kg以上の小児及び成人での投与となっています。また、アナフィラキシーを含むアレルギー反応時に最大で2回(neffy 2つ分)を同じ鼻から投与することも想定されています。

Neffyは、既存の技術を組み合わせた製剤であることも特徴的です。有効成分であるエピネフリン/アドレナリンは世界各国で承認されています。鼻スプレーの容器(機器)部分も他の既承認製剤で使われているものとなっています。小型であり、2つ携帯しても手のひらサイズで収まっています。また、経鼻吸収を促す成分もIntravailというよく知られたものを使っています。

neffyの製品写真や各種情報は、ARS Pharmaceuticalsが公表している2024年3月7日の投資家向け資料に掲載されています(こちら)。

米国以外での開発状況としては、欧州でも承認申請済みで2024年半ばにEMA(CHMP)の判断が出ることが見込まれています。

日本については、2024年3月の上記資料において、承認申請はまだであるものの、2024年中の承認申請を目指していることが記載されています。アルフレッサと業務提携しているようです。

アナフィラキシーを含むI型アレルギー反応に備えて、エピペンを携帯している患者さんにとっては、neffyという注射を伴わなず、利便性の高い製品の選択肢が登場することは朗報でしょうから、日本を含めて世界各国で速やかに利用可能となることが望まれているのではないかと考えます。

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