英国MHRAは、医薬品や医療機器の承認等の規制に関して、国際協力、国際的な業務効率化の観点から施策を打ってきています。
そんなMHRAが、2024年5月21日に以下のプレスリリースを出しました。
MHRA announces a proposed framework for international recognition of medical devices
医療機器について、英国以外の国/地域で承認等を得て流通可能となっているものを英国内でも簡素化した手続きで流通可能とする仕組みを導入する方向である旨のアナウンスとなっています。
実際の詳細は、MHRAのこちらのページに掲載されています。
医療機器は、そのリスクに応じて規制対応が異なっており、また、米国の政府承認/認可が基本の規制と欧州連合の第三者認証機関を活用した規制という建付けの違いがあります。(英国は欧州連合の枠組みベース。日本は、政府承認と第三者認証機関活用のハイブリット。)
したがって、低リスクから高リスクのいずれの医療機器も今回の枠組みの対象にはなるものの、医療機器のクラスに応じて、簡素化された手続きの違いが発生しそうです。
一方、今回の対応の対象とはならない医療機器の種類も示されており、医療機器プログラム[Software as a Medical Device (SaMD) 、Artificial Intelligence as a Medical Device (AIaMD)を含む]は対象外の可能性があります。
2025年中にこの枠組みが導入される見通しです。対象国は、米国(FDA)、欧州連合(EMA)、オーストラリア(TGA)、カナダ(Health Canada)がプレスリリース時点で示されており、日本(PMDA)とは協議中とされています。
医薬品については、2024年1月1日より、International Recognition Procedure(IRP)として、他国の承認を活用した審査の簡素化対応を開始しています。こちらの対象国には日本(PMDA)が入っており、その他、米国(FDA)、欧州連合(EMA)、オーストラリア(TGA)、カナダ(Health Canada)、スイス(SwissMedic)、シンガポール(HSA)となっています(2024年5月時点)。
オーストラリア(TGA)、カナダ(Health Canada)、スイス(SwissMedic)、シンガポール(HSA)と英国(MHRA)は、ACCESS Consortiumとして医薬品の共同審査の枠組みも運用しています。
なお、MHRAは、Medicines and Healthcare products Regulatory Agencyの略であり、英国における医薬品や医療機器の規制を担っています。日本の厚労省とPMDAの関連する役割を担う政府機関となります。
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