2024年度厚労省補正予算(2024年12月17日成立)

2024年度厚労省補正予算が2024年12月17日成立にしました。厚労省補正予算のうち、医薬品、医療機器、再生医療等製品に関連しためぼしい施策をハイライトしておきます。

今回の補正予算の内容は、2024年11月22日に石破政権で閣議決定された「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」(関連ページはこちら)に基づくものとなっています。ただし、岸田政権から石破政権に代わったものの、岸田政権時代に整理された「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」の内容や2024年6月の骨太方針の内容にも従ったものとなっています。

厚労省の補正予算全体はこちらから確認できます。一方で、2024年12月18日に開催された第114回社会保障審議会医療部会における厚労省医政局報告資料が今回取り上げたい内容により絞ったものになっています。したがって、医療部会の資料を活用します。

2024年度厚労省補正予算のポイントは以下にまとまっています。黄色マーカーが医政局関連ということで医薬品等の開発推進、安定供給といった施策が入っています。医療関連はかなりの施策が医政局由来となっています。

医薬品、医療機器、再生医療等製品に関連する施策としては、IIIの「創薬力強化に向けたイノベーションの推進、医薬品等の安定供給確保」の部分が主に該当してきます。

以下、各施策を見ていきます。

まず、創薬エコシステム発展支援事業です。この概要紙でよく30億円の予算が通ったなという感じですが、とにかく、どこかに委託することで、創薬支援の各種業務(資金提供を含む)を実施させようという事業になっています。(どこまで実効性があるのかは…)

次に、創薬クラスターキャンパス整備事業として、箱ものを整えるのに国から1/2の補助をします、というものになっています。スタートアップ等が整備された施設を活用することが想定されています。

続いて、ファースト・イン・ヒューマン(FIH)の体制整備用予算です。がん研究センター中央病院、国立健康危機管理研究機構、成育医療研究センターでのFIH試験体制を整備するとされています。したがって、がん、感染症、小児を主な対象とした試験が期待されていることになります。

最後にここで取り上げるのは、医療機器の開発推進に関する事業です。こちらは、医療機器開発に関する拠点を整備して、人材育成、伴走支援、医療機器の実証の場の提供といったサービスを提供していくことが想定されています。

これらの施策は、2024年度補正予算なので、2025年3月までに使うことが想定されます。環境整備等の予算なので、今回の予算執行による効果は2025年4月以降に出てくることが期待されます。

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