肥満症治療薬、小児にも有効(ノボノルディスク)

2024年9月11日付けで以下の記事がありました:

Novo’s older obesity drug is safe and effective for children, study finds

肥満症治療薬は世界的に新たな巨大市場になりつつあります(関連記事)。日本では、ノボノルディスクのウゴービが発売中、イーライリリーのチルゼパチドが肥満症で承認審査中となっています。

ただ、今回、小児でも有効性が確認された薬剤は、上記のウゴービやチルゼパチドではありません。

ウゴービ同様のGLP-1受容体作動作用のある、リラグルチドを有効性成分とするSaxenda(サクセンダ)に関するデータになります。この製品もノボノルディスクのものになります。日本では同一成分でビクトーザという製剤が販売されていますが、肥満症の適応はなく、2型糖尿病のみの適応があります。

今回の臨床試験結果により、6歳以上の子供での有効性と安全性が確認されました。ノボノルディスクは、今回の試験結果を用いて、米国や欧州で小児の適応拡大を目指すとされています。(現在は、12歳以上が対象)

有効性については、リラグルチド群では投与開始から56週時(1年強)において、ボディマス指数(BMI)が5.8%低下したとのこと。プラセボ群ではBMIが1.6%増加したとのことで、その差は7.4%であったとされています。体重減少については、リラグルチド群で1.6%の増加、プラセボ群で10%の増加でした。(子供なので、ある程度の体重増加は健全だとも考えられます。)

また、リラグルチドをやめた場合、BMI及び体重が増加したことも確認されています。

安全性については、肥満症治療薬で知られている消化器系の有害事象が認められたのこと。

子供では食事や運動による対応がより難しい場合があることから、このような治療薬は福音になるという専門家の見立ても紹介されています。合わせて、リラグルチドは、ウゴービほどの有効性は示さないものの、使用実績が集積されていることから小児への処方として選ばれやすいとも指摘されています。

なお、今回取り上げたロイターの記事は、New England Journal of Medicineに掲載された以下の論文を参照したものになります。

Liraglutide for Children 6 to <12 Years of Age with Obesity — A Randomized Trial

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