2025年3月薬価収載医薬品の薬価算定

2025年3月12日に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第605回)にて、2025年3月19日薬価収載新医薬品の薬価算定結果が示されました。興味深い品目がありましたので、まとめておきます(算定結果の資料はこちら)。

加算

今回の収載において、迅速導入加算が適用された品目はありませんでした。

一方、ウプトラビ錠で小児加算20%が適用されています。小児用の錠剤を開発した結果によりますが、「日本人の試験組み入れ数、優先審査の該当性、海外よりも早い承認状況等」を踏まえて、高い加算率になっています。迅速導入加算のように、海外と比較した承認時期や日本人の組み入れ数が考慮されています。

また、クアルソディ髄注の市場性加算が15%と高くなっています。「患者数が特に少なく開発が難しいと想定される中で、本剤開発時の国際共同治験に日本人患者が組み入れられていたこと」を踏まえての算定であり、日本の国際共同治験への参加が評価されています。

上記の算定を踏まえると、引き続き、ドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグ、小児開発、希少疾病開発といった対応に対して高く評価しようとする政府の意思が見てとれます。

ゼップバウンド皮下注

ウゴービに続く肥満症治療薬が薬価収載されることになります。ピーク時に13万人が使用、319億円の売り上げが想定されています。

薬価算定にあたっては、ウゴービとの類似薬効比較方式ではなく、原価計算方式が適用されています。これは、ゼップバウンド皮下注に対して、同一有効成分(チルゼパチド)で適応、販売名が異なるマンジャロ皮下注が上市されていることにより、原価計算方式と類似薬効比較方式の両方で算定を行い、安い価格となる算定方式が採用されたことによります。

したがって、ゼップバウンド皮下注は、ウゴービより価格を下げてきたということになります。

クアルソディ髄注

原価計算方式での算定となっています。市場加算の他にも興味深い点があります。薬価は2,788,883円となっていますが、こちらは米国の薬価(2,304,960円)より高くなっています。

これは、ドイツの価格が4,715,830円と米国よりかなり高くなって、外国価格平均でも300万円を超えてきたことにより、日本の価格が高く設定されたと推察されます。

なお、欧州承認は2024年5月と比較的日本と近い時期での承認となっています。

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