創薬エコシステムサミット(2024年7月30日)と中間とりまとめを踏まえた政策目標と工程表(創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議)

2024年7月30日に創薬エコシステムサミットなるものが開催されました。また、このタイミングで「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」(創薬力構想会議)の中間とりまとめを踏まえた政策目標と工程表が発表となりました。

創薬エコシステムサミットとは

2024年5月22日に公表された創薬力構想会議の中間とりまとめを受けて、新たに(初めて)開催された会議になります。

中間とりまとめ(9ページ)に、以下の記載があります。

ここにあるように、医薬品産業、医療産業を基幹産業と認知し、しっかりと政策を行っていく旨の政府のコミットを国内外に示しつつ、企業やベンチャーキャピタル側への日本での活動へのコミットメントを求めるために、開催されたもになります。

そうした背景から、このサミットは、総理大臣官邸での開催、岸田総理の出席となっています。岸田総理の発言は、総理の一日の「創薬エコシステムサミット」に掲載されています。以下、総理の発言からの抜粋になります。

ファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験実施体制整備を含む治験/臨床試験環境の整備、外資製薬企業やベンチャーキャピタルを巻き込んでの国内シーズの支援、創薬関連の投資とイノベーションが継続して起こるシステムの構築という3つがハイライトされています。

岸田総理の発言内容自体は、創薬力構想会議の中間とりまとめと骨太方針2024を踏襲したもので、追加のサプライズはありません。しかしながら、中間まとめや骨太方針2024の内容に対して、今後政府予算が確保されることがより明確に示されたことになります。

また、このサミットを皮切りに、今後は官民協議会の設置、各種施策の実施(企業やベンチャーキャピタル側の参画要請を含む)という方向に進んでいくことになるのではないかと想定しています。

なお、創薬力構想会議の中間とりまとめの内容はこちら、骨太方針2024の内容についてはこちらでまとめています。

創薬力構想会議の中間とりまとめを踏まえた政策目標と工程表

創薬エコシステムサミットの開催に合わせて、中間とりまとめの内容を進めるための政策目標と工程表が公表となりました(こちら)。

この目標と工程表が、岸田総理を含む政府のコミットメント(と相手側へのコミットメントの要求)と並び、内閣官房が打ち出したかった成果物になります。

想定されている施策は中間まとめのものから追加はされていませんが、施策のタイムラインとともにアウトプット指標(KPI)が示されました。

工程表で特筆すべきは、施策に対して「予算要求・予算編成」が明示的に記載されていることです。医薬関連を含め工程表レベルでこのような記載をすることはめずらしく、コミットメントを示すことにはなっているようには見えます。

参考となっていますが、各施策の概要が示されています。この概要から政府が何をしようとしているか(何を2025年度予算で要求しようとしているか)が見えてきています。この概要の内容をベースに、8月末まで予算要求内容の財務省折衝が進んでいくことになりそうです。

また、構想会議のページにサミットで提示された各出席者からの資料も掲載されました。(ということで、特に第1部の出席者が誰であったかも確認できます)

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